ご挨拶

令和7年9月、宮入小左衛門行平前会長から引き継ぎ、全日本刀匠会会長を務めることになりました久保善博です。歴代会長や会員の皆様のご尽力のおかげで、当会が50年以上活動を続けてこられたことに心より敬意を表するとともに、その責任の重さを日々感じております。また、文化庁などの関係機関やご支援いただいている団体、刀職者各位、そして愛刀家の皆様、多くの方々のご協力によって今日まで歩んでこられたことを、改めて深く感謝申し上げます。

 さて、近年、アニメやオンラインゲーム等の影響により、日本刀への関心が著しく高まっており、各地の展示会では女性来場者の増加が顕著です。これは従来には見られなかった傾向であり、現代日本刀の認知拡大の好機と位置付けられます。しかしながら、平成初頭には約300名在籍していた刀匠会の会員数が、現在では半数程度まで減少し、鞘師・白銀師等の関連職種も急速に減少しています。その結果、刀剣展の実施に支障をきたす状況になっています。加えて、松炭・天然砥石・鞘材料となる朴木の入手 困難など、制作環境は一層厳しい状況に直面しています。これら諸課題の解決は容易ではありませんが、刀匠会としては、後継者育成支援事業やお守り刀展の開催など、従前からの取り組みを着実に継続していきます。更に今後は、鞘師および白銀師の人材育成にも注力すべきだと考えています。また、近い将来、刀匠会主催のお守り刀展を海外で開催し、高度な伝統技術の継承と現代日本刀の高い完成度を広く国際社会に発信し、海外市場の開拓を目指していきたいと考えています。こうした事業を通じて、多くの現代刀匠が安定した生計を維持できる基盤を構築することが、業界全体の課題解決につながるものと信じています。

 微力ながら、現代日本刀の将来に資するべく不断の努力に尽力する所存です。引き続き皆様のご協力とご理解を賜りますようお願い申し上げます。

Photo: Mayumi Furuishi

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