現代日本刀の歩み ― 戦後篇 ―

第1篇 「現代刀」の定義についての再検討
日本刀の時代の大別

日本刀は通常、時代を大別して次のように呼ばれることが多い。

古 刀:鎬(しのぎ)造りで反りを持つ形態が備わった平安時代中期以降、安土桃山時代の文禄(1592~96)ごろまでの約600年間に製作されたもの。
新 刀:慶長(1596~1615)以降、江戸時代後半の安永(1772~81)ごろまでの約180年間に製作されたもの。
新々刀:天明(1781~89)以降、いわゆる「廃刀令」の布告された明治9年(1876)ごろまでの約100年間に製作されたもの。
現代刀:明治の初年から今日に及ぶ約130年間に製作されたもの。実際にはこの期間でも、新々刀期の刀工の作品は現代刀とは見ないことが多い

なお、戦前までは古刀と新刀の二つに大別する考え方が一般的であった。これに従えば、新々刀は新刀に含まれ、新刀期はおよそ280年ということになる。


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