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鉄をめぐる民俗
第1回 「天目一箇神」
アマノマヒトツノカミといいます。神話で天照大神が天岩屋戸に隠れたとき、刀などを祭器を作った神です。いまでは金工や鍛冶の神として祭られています。文字通り目が一つの神です。
岡山県総社市にある古代山城遺跡・鬼ノ城(きのじょう)の温羅(うら)は吉備津彦とのたたかいで矢で射られて片目を失います。この伝説から温羅が製鉄と関係する人物だともいわれています。詳しくは別の機会にします。
山の神は、目が一つ(片目)で一本足だという伝承も各地にあります。天目一箇神と山の神が関連しているとも考えられます。秋の田に立てられるカカシは一本足です。一つ目のものもあります。山の神は三月節供に田に出て作物を守り、秋の亥の子に帰ってくるといわれています。カカシの姿は、目一つ、一本足という山の神の姿なのです。
(立石 憲利)